こんにちは、たまべいです。
昨年から諸事情により、一人暮らしで子どものいない認知症の叔母の成年後見人になっています。
昨年の初めに叔母の異変に気付き、その後叔母の住む地域の包括センターに連絡して、見守りや新たな介護サービスをお願いしました。
その後に叔母が徘徊して保護されたこともあり、介護付き有料老人ホームに入所させることにし、今に至ります。
本人の貯金は多くはないので、自宅マンションを売却して、それを施設の支払いに充てていく必要があり、キーパーソンである姪の私が成年後見人の申立をして、自分でなりました。
司法書士さんに後見人申立を依頼すると、そのエリアの相場は15~20万円と言われたので(費用は申立人持ち!)、申立書類は裁判所のHPを見ながら、自分で作成して申立しました。ちょっと提出書類を間違えたりしましたが、何とかなるもんです。
成年後見人は被後見人の財産管理や身上保護を適切にしなくてはならず、本人の不動産や資産の売却も裁判所の許可が要ります。(その他賃貸住宅の契約解除、建物の取り壊し、抵当権の設定等も裁判所の許可が必要)
居住用不動産の売却も際も、裁判所のHPや渡された資料を見ながら、自分で申立~許可~売却しました。
そして現在はその売却代金を施設費用に充てています。
その際に気づいた事等を書いていきますね。(私は親族後見人であり、士業等の専門職ではないのですが、今後も増えていくであろう、一般の親族後見人の方のご参考になればと思っています。)
売却物件の近隣不動産屋でヒアリング
スーモやアットホーム等々でも大体の相場が分かるかと思いますが、良い仲介業者を見つけるためにも、電話で良いかと思いますが、3~4社ヒアリングしてみて下さい。
ちなみに叔母の家の場合はリゾート地の築古リゾートマンションなので(温泉付きで眺めも良いんですが…)、「不動産査定一括サイト」のようなのは使えませんでした。
そこで仲介をお願いする業者を選定し、自分は成年後見人で叔母本人の代理であること、裁判所の許可が下りないと売却できないこと、売却活動途中で万が一本人が亡くなったら契約が白紙になること、通常の売却と違い売却から所有権移転の登記完了まで時間がかかることをその業者や買主に理解して貰う必要があります。
最近は成年後見制度を利用した不動産売却が増えてきたと聞きますが、まだまだ不慣れな業者さんも多いですよ。
私の場合は以前に叔母の自宅をリフォームしたり、そのマンションの修繕工事を色々と請け負っていたとある不動産屋さんに仲介をお願いしました。
他の業者さんでも良かったのですが、叔母とも面識があったのと、他のマンション住民達とも良好な関係の様でしたので、そちらにしました。
地域密着型といいますか、叔母の部屋のちょっとした修繕(水道パッキン交換等)もおまけでしてくれたりと結果オーライですが助かりました。その代わり仲介手数料はMAXでとられましたけど
同時に掃除や荷物の撤去を始める
叔母は若いころはおしゃれで綺麗好きでしたが、認知症を発症してからは、ゴミ屋敷とまでは行かないまでも結構散らかった荷物の中で暮らしていました。
なので、写真や書類等必要なものを取り除いて、施設に持ち込める物以外は不用品回収業者に依頼して部屋を空にしました。
その後、少しでも買主の印象が良くなるようにと軽く掃除しました。
管轄の家庭裁判所に電話で連絡して指示を仰ぐ
私の場合は後見人申立後、後見人候補者として裁判所(支部)にて面談した際に、不動産を売却して施設費用に充てると伝えていたので、後見人就任後、早々に電話して指示を仰ぎました。
そこで必要な書類を確認します。
私はまずは売却の許可を得てから、不動産屋に連絡を取るのかと思っていたのですが、そうではなくて、ある程度売却先が決まった段階で申立をするんだそうです。
なので今回の場合もまずは業者さんに買主を見つけて貰ってから、必要な書類を集めて管轄裁判所に郵送して指示を仰ぐ形になります。
必要な書類を用意し、郵送する
買主さんが見つかったら、売却申立の必要書類を用意するのですが、こちらも二度手間を防ぐためにも管轄裁判所に電話で確認した方がいいです。
といいますのも、私が渡された家裁の資料(冊子)を見ますと、
・契約書(案、写し)
・処分する不動産の評価証明書(固定資産税評価書など)
・不動産業者による不動産の査定書
・処分する不動産の全部事項証明書(提出済みの場合は不要)
・後見登記事項に変更があれば住民票や戸籍謄本
とあったので、それぞれ用意してレターパックで裁判所に送ったのですが、その後に電話で連絡があり、買主さんの住民票(原本)、法人だったら法人の全部事項証明書(原本)も送って下さいとのことで、二度手間になってしまいました( ̄▽ ̄;)
叔母の体調の事も心配ですし、リゾートマンションなので、月々の管理費も温泉代等々結構掛かるので、なるべく早く売りたいと思っていたのであせりましたよ。
許可が下りたら売却し、報告する
書類に不備がなければ、裁判所から電話があり、売却を進めて下さいと許可が下ります。(書記官の方からちらっと聞いた話ですと、稀にですが相場より不当に安く親族等が購入しようとする申立があるそうで、そういった場合はすんなりとは許可が下りないそうです。)
その旨を不動産業者さんに電話して、買主さん、司法書士さんと所有権移転に向けて調整します。
固定資産税やマンションの管理費等も日割りで調整して貰います。
無事、売買が終了したら、
・売買契約書(写し)、
・着金のあった通帳のコピーや金額の内訳
・登記事項証明書
・仲介手数料等の領収書の写し等を郵送で報告して終了となります。
売却を終えて感じた事
たらればになりますが、もしかしたらもう少し高く売れたのでは?と思うことも。
でも叔母の体調も心配で、早めに売却したかったのもあるし、買主さんもリフォーム前提で購入してるから指値されても仕方ないかと納得する面もあるし。
先日、成年後見人も務める司法書士さんのお話を伺う機会があり、その方は「後見活動に正解はないから、その都度の最善を考えて、周りの人(叔母の場合は施設の職員さん達、医師)と相談しながら活動して下さい」と仰っていました。
確かにと妙に納得してしまいました。
これからも叔母にとって最善となるようにサポートしていこうと思っています。


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