「首都水没」を読んで

災害、ハザードマップ
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こんにちは、主婦大家のたまべいです。

昨今の自然災害の甚大化、特に昨年に続いた台風に危機感を覚え、物件探しの際にハザードマップを注視するようになりました。

そこで土地の成り立ちや歴史にも興味を持ち、何冊かの本を読みましたが、中でも印象に残ったのがこちらの「首都水没・土屋信行著」です。

 

首都水没 (文春新書) [ 土屋 信行 ]

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感想(1件)

それまでは、23区の東側がゼロメートル地帯で河川が氾濫したら大変だね位の認識でしたが、歴史を含めて自分が知らなかったことが多かったので、備忘録としてまとめてみました。

物件検索や住まい探しの際にも、もちろん自然災害から身を守る為にもこういった情報を知っておいた方がいいですよね。

まずは国土のおさらい

日本は国土の約73%を山岳地帯と丘陵地、11%が台地、14%が低地で占めている。

低地とは高さが海抜100m以下の地域で、その面積の70%が洪水があると水没する可能性があり、この低地に国民の約半分が暮らし、総資産の75%が集中している。

洪水被害の種類は大きく4つ

台風や津波といった海の自ら来る「高潮洪水」、河川の堤防が決壊して起こる「外水氾濫」、大量の雨水が排水できずに溜まっていく「内水氾濫」、そして地震の際に堤防が液状化や破壊されて起こる「地震洪水」がある。

なぜ満潮時に水位以下の海抜ゼロメートル地帯ができたのか

江戸時代に利根川の河口を東京湾から太平洋(銚子)へ振り替えましたが、元々河川だったので洪水が集まり易く、危険な場所でもありました。

その上、日本の経済の発展に伴い、都市部への人口増加、産業の増加により大量の水が必要になり、その際に水源として大量の地下水を汲み上げたのですね。

水だけではなく、良質のメタンガスも採れたので、江戸川区や江東区にはガス田もあったそうです。

昭和40年代まで採掘は続き、地盤沈下量と沈下区域が拡大して行き、その後やっと規制されるようになりました。

それまでは規制もなく、やりたい放題だったようですね。

地下鉄洪水もありうる

しかし問題はそれだけでなく、地上にある満潮時水位以下の区域だけでなく、地下鉄を始めとした多くの地下施設の存在です。

都市部で「地震があったら地下鉄に逃げ込め!」と言われたことがあるかもしれませんが、揺れが収まったら、直ちに地上へ逃げましょう。

東京の地下鉄は全て繋がっていて、深い所から浸水して行き、満杯になると地上にあふれ出ることになります。

この本には荒川が決壊した際の衝撃のシュミレーションも載っています。

東日本大震災での2つの原発の明暗を分けたこと

よく聞く事ですが、古くからの伝承、お年寄りから聞く地元での言い伝えを大切にしましょうという事です。

「女川原発」は周辺地域が大きく被害を受けたにも拘らず、冷温停止状態を維持して無事でした。

そして多くの町民がこの発電所に避難所として、身を寄せたそうです。

女川町で原発の受け入れが決まった際に、現在発電所がある高台に建てるよう、お年寄り達が進言したそうです。

そこはかつて幾度となく襲ってきた津波に耐え残った場所です。

その後、電力会社は言い伝えを検証、現地調査、文献調査、ボーリング調査をし、その高台に建設したそうです。

こういった進言は非常に大切なことで、地域に住む人々が長い年月をかけ、多くの犠牲を払いながら培ってきた生活の知恵や安全情報です。

一方、「福島第一原発」は設計当時の最新の知見と予測を取り入れましたが、想定外の津波によりタンクやパイプが流されてしまい、非常用発電機が破壊されメルトダウンしてしまいました。

感想

私を含め都市部で生活する人々は、快適な生活を享受する一方、自然への恐れを感じなくなっていますが、さすがに昨今の甚大化した自然災害は無視することはできません。

地域の伝承や過去の災害の歴史を後世に伝えて被災を防いでいくことも大切です。

過去に浸水や災害のあった土地(ハザードエリア)には、生活する建物は建てないといった決断も求められるでしょう。

今後は人口が減って行き、行政に任せっぱなしという訳にはいかず、自助・共助の心構えが必要です。

私も今後起こるであろう災害も予測しながら、対応して行きたいと思います。

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