こんにちは、主婦大家のたまべいです。
不動産賃貸業に携わっていると、瑕疵物件に出会う事があります。
以前勤めていた不動産屋でも瑕疵物件の賃貸アパートの仲介したことがありましたし、私が投資向け不動産を探していた際に「告知事項あり」の瑕疵物件の紹介を受けたことがあります。
賃貸でも売買でも物件に何らかの瑕疵があれば、借主や買主に告知しなくていけません。
瑕疵の告知は重要事項説明時にきちんと説明することが義務付けられており、普通の不動産屋ですと、きちんと告知してくれますが、中にはそうではない業者もいますので気を付けて下さい。
ここでは物件の瑕疵についてまとめてみました。
物件の瑕疵とは?
借主や買主が契約の判断や決定するのに躊躇してしまう事項のことです。(知ってたら買わなかったとか)
賃貸でも売買でも契約時の重要事項説明の際に、売主や仲介業者は物件の瑕疵を告知する義務があります。
重要事項説明には借主、買主の保護の目的があり、判断の決定に影響を及ぼす重要な事項なので、マイナス部分もきちんと説明しなくてはなりません。
説明が不十分だったり虚偽があると損害賠償を請求されることもあります。
いつまで告知しなくてはいけないか?
心理的瑕疵の場合では一律でいつまでとは決まっていません。
というのも、ケースバイケースで瑕疵の捉え方も個人差や環境差もあるからで、過去の裁判になったケースでも判決は一律ではありませんでした。
賃貸物件の場合は1回目の入居者には説明して、2回目の入居者からは特に説明しないといったケースもありますし、事故から10年経ったからもう告知しなくていいだろうと考える不動産業者や大家もいます。
しかし、近所や周りの方から事故の件を耳にすることもあるかもしれませんし、告知するのに時効は無いと考えて、日時が経っても告知はするべきと私は思います。
特に一生に何度もない物件の売買時にはきちんと知らせるべきでしょう。
物件の瑕疵は大きく4種類
心理的瑕疵
・自殺、他殺、火災などによる焼死、孤独死、変死等が部屋や共用部にあった物件
いわゆる「事故物件」と呼ばれて、「大島てる」等のサイトに掲載されていますね。
・病死
自宅で倒れて搬送先の病院で亡くなったとか、家族に看取られていれば、告知には当たらないとするケースは多いようです。
不動産業の慣習として、こういった心理的瑕疵物件は家賃を下げて「告知事項あり」として募集しています。
心理的瑕疵が気にならず、周辺の家賃相場より安ければ住みたいという方々に住んでもらうことになります。
私は以前に心理的瑕疵(病死)のある収益物件の紹介を受けたことがあります。
その物件は北関東にある小ぶりで高利回りで低価格で満室と私の希望にぴったりでしたが見送りました。
ネットに掲載される前に紹介を受けたのですが、すぐに他の投資家が購入したとのことでした。
レントロールをみたら、病死のあった部屋の家賃は少し下がっていましたが入居はされてますし、私にはなかなか真似できませんが、投資と割り切って購入する方もおられるのでしょう。
ちなみにこちらの物件は「大島てる」には掲載されていませんでした。
物的瑕疵
・建物の傾き、シロアリ被害、雨漏り等々
戸建住宅や木造アパート等を格安で入手し修繕して、投資として回していける算段があれば、あえて購入する投資家もいます。
ただし、以前に問題になっていた、マンションの耐震偽装とか杭の深さの虚偽とかのレベルになると、個人ではどうにも出来ませんし、表面化してこない場合もありますから厄介ですね。
法的瑕疵
・接道義務(前面道路の幅、再建築の不可等々)
・建築基準法に違反していないか(建蔽率、容積率等々)
・行政による都市計画等の有無(例…道路整備の計画があり、何年か後に転居しなくてはならない等)
・用途地域に違反している(本来なら建ててはいけない地域に存在している物件)
都市部ですと再建築不可の物件もまだ多くありますが、価格が安く立地が良ければ購入する方も多く、投資家や実需向けでも一定の人気があるようです。
ただ、ネックとしてはこれらの法的瑕疵の物件には融資が付きづらいのと、出口が難しいので上級者向けになるでしょう。
環境的瑕疵
・近隣に忌諱施設、暴力団事務所等がある
・隣人や隣地に問題のある人やゴミ屋敷がある
・災害ハザードエリアに掛かっている
これらも自分の努力ではどうにもならないので、避けた方が無難でしょう。
まとめ
核家族化や高齢化による、高齢者の単身世帯が増加しており、孤独死などによる事故物件は今後も増え続けると予想されます。
また、災害ハザードエリアについても、今まではあまり気にされていなかったことが多かったですが、今後は瑕疵とみなされることも増えていくと思われます。
貸主や売主にとって物件の瑕疵は、家賃や物件価格の値下げなどの資産価値が減少し,デメリットとなりますが、誠実な告知をすることで、借主や買主もそれぞれに納得し、気持ちのいい契約をしたいですね。

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