こんにちは、主婦大家のたまべいです。
近年は自然災害が甚大化しており、「何十年に一度」や「想定外」と言われる規模の水災害も多発しています。
それに伴い、国土交通省は2019年に不動産関連団体に不動産取引時にハザードエリアにある対象物件の情報提供を依頼してきましたが、2020年8月28日より「重要事項説明」の際に義務化することになりました。
宅地建物取引業法は購入者に不利にならないよう、「重要事項説明」の際に、水防法に基づき作成された水害ハザードマップに於ける、対象物件の所在地についての説明の義務が追加されました。
国としてもあえて水災害ハザードエリアに居住を促さないようにして、被害を減らしたいのでしょう。
宅建業法に追加されたことで、悪意のある業者が減ることを願います。
・水防法に基づき作成されたハザードマップ(水害、雨水出水、高潮)で、対象物件のおおよその位置を示す。
・市区町村が配布する印刷物やホームページから印刷でいるもので、最新のハザードマップを使うこと。
・ハザードマップに記載されている避難所の位置も提示できるのが望ましい。
・対象物件が浸水想定地域でないことを持って、リスクがないと相手方が誤認することがないようにする。
確かに、今までは「土砂災害警戒区域」や「津波災害警戒区域」の説明義務はありましたが、「水害ハザードエリア」についてはありませんでしたね。
不動産業社や売主によっては、良心的に教えてくれる所もあるかと思いますが、多くは行政にいちいち確認する手間や価格が下がってしまうリスクを考え、そのまま売買していたのではないでしょうか。

それと、気になる記事が先日の日経新聞に掲載されていました。
大手損害保険会社が保険料をハザードマップに連動させるとの記事です。
自治体のハザードマップに連動して保険料を変え、浸水リスクが低いと2~3%安くし、高ければ1割ほど上げるそうです。
まずは2021年1月より企業向けに施行されますが、今後は個人向けにも検討していくとのことで、恐らくこの流れは避けられないと思われます。
自然災害への保険金に支払いは2年連続1兆円を超えているそうで、保険金の支払い額を低くするためにも仕方ないのでしょう。
ハザードエリアは色々な問題を抱えています。
まだ自然災害が昨今のように多発していなかった時代に購入し、居住してる方にしてみたら、資産価値が大きく目減りしてしまうことになりますし、開発途中の建築業者の中にも損を抱えてしまうこともあるでしょう。
またそのエリアの物件に融資している金融機関や、融資を受けて物件を購入している方々にとっては、担保価値が下がり信用棄損となるかもしれません。
しかし、実際は実需用のマイホームであれ投資用であれ不動産を購入する際は、不動産取引時の重要事項説明を受ける前に自分で調べておかなくてはなりません。
というのも、重要事項の説明を受けるのは契約時ですが、その時では遅いのです。
また、説明義務は宅地建物取引業者のみで、個人売買の際は対象外です(あまり多くないと思われますが)。
もし、対象物件がハザードエリアだと分かっていれば、購入しないという選択も出来ますし、リスクをカバーできるくらいに値引き(指値)をお願いすることも出来ます。
また、これから建てるのであれば建築費用が高くなるかもしれませんので(基礎を高くするとか)、その分考慮が必要です。
首都圏や大都市圏への集中や計画性の無い宅地造成開発の弊害が、昨今出てきているのでしょう。
人々の日々の営みがあり、利害もそれぞれありますが、居住移転の自由を無視して住居の移転を強制することはできません。
住人の何代かの世代交代を経て、徐々にハザードエリアが整備されて、これ以上災害による被害が減って行くことを願います。


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